「微信支付」を勝手に使うな!注目される「微信」商標権の行方に注目

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「微信支付」を勝手に使うな!「微信」関連の商標権侵害訴訟に注目

昨今、スマホの浸透した中国で大流行しているモバイル決済ツール「微信支付(We Chat Pay)」。11月2日付の検察日報によると、この「微信支付」に関し、上海ケンタッキーが商標権侵害で起訴された。

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原告は北京銀宝通公司(以下、「銀宝通」)。上海ケンタッキーが「微信支付」を使用していることが商標権侵害に当たるとして、支払サービスにおける「微信」商標の使用差し止め、微信の宣伝広告抹消、及び50万元の損害賠償を求めて起訴した。上海楊浦区法院は正式にこれを立件、12月初頭に開廷の見通しである。

 

銀宝通は2011年に金融サービスにおいて「微信」のサービスマークを使用開始。同年には銀宝通が資本参加する中欣安泰が「微信」商標を登録した。両社ともこれまで同商標の使用を他者に許諾したことはなく、被告が未許諾で微信商標と完全に同一の金融サービスマークを使用していた場合、権利侵害に当たる。

 

さて、そうなると気になるのは微信を生み出した騰訊控股有限公司(テンセント、以下「騰訊」)の存在だ。実は、現在商標局に出願もしくは登録されている「微信」商標の6割以上が、騰訊以外の会社により登録されたもの。微信業務の爆発的拡大に伴い、騰訊は譲渡、異議申立てなど、あらゆる形で「微信」商標の取り込みに追われているというのが実情なのだ。
ちなみに起訴された中には上海ケンタッキーのみではなく、ドラッグストアチェーンの杭州ワトソンズ、百貨店の広州パークンなど中国各地の複数の外資系企業が含まれている。

 

本件は、リリース以来驚異的な成長を示し、今や登録ユーザーが10億人を超えた微信の「商標権」の行方がどうなるかという点で注目すべきであると同時に、商品やサービスが新たな方面に拡大していくことを見越した知的財産権保護の重要性を教えてくれる興味深い案件である。審理の動向が注目される。

 

(日本アイアール A・U)

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