2011年(7~9月)の中国商標ニュースです。

MENU

中国商標法改正案、新法の特徴示す

2011年9月15日 人民日報

 

 国務院法制弁から先日、社会各層に公に意見を求めるための商標法改正案意見募集稿が公布された。今回の修正商標法に下記のような特徴が目立った。

音声も商標として登録できる

 自然人や法人又はほかの組織による商品を他者の商品から区別する文字、図形、アルファベット、数字、3Dマーク、色、音声を含めた全てのマーク、前述した要素の組合せが、商標として登録出願できると規定し、音声でも商標として登録できることを明確にした。

侵害防止の厳正化

 現行商標法に比べると、商標権利人の適法な権利の保護を強化している。
 その一は、違法・侵害行為の予防。商標をめぐる異議申立の主体の範囲を明確に定めた。現行商標法の規定によると、だれでも商標をめぐる異議を申し立てることができるが、この意見稿は異議申立の主体を「先行権者又は利害関係人」に限定している。
 さらに、「出願人が、他者との契約・業務上の関係、地域上の関連性或いは別の関連性を有することにより、当該他者の商標の存在を明らかに知っている場合は、登録をしない」及び「登録出願対象商標が他者のこれと同一しない若しくは類似しない商品での高い顕著性を持ち、かつある程度の影響を有する登録商標の盗作であり、混同を招き易い場合は、登録しない」との2規定を追加した。また、改定後の条文から見ると、「類似商標」判定時の一般公衆の注意力を基準とすることが強調された。明白な抜け駆け出願行為、権利侵害行為が防げる。
 その二は、違法・侵害行為への打撃力の増大。意見稿六十四条に、5年以内で2回以上に及ぶ侵害行為に対する重罰規定が追加され、六十七条に、法定賠償額の上限を現行の「50万元以下」から、「100万元以下」に上げた。

より包括的な専用権保護

 商標専用権の管理と保護がより包括的になっている。六十一条に、登録商標専用権侵害行為が詳しく列挙され、「他者の商標専用権の侵害行為に対し貯蔵、輸送、郵送、隠匿等に意図的に便宜を図るのは」登録商標専用権侵害に当たると明確に指摘した。

中国商標 国際登録出願激増

2011年9月8日 光明網

 

 先日開催された第四回中国商標祭で、世界知的所有権機構・王彬穎副総幹事は、中国商標の国際登録出願の件数が2010年で世界7位、今年では6位に上昇し、速やかな成長ぶりとなっていると話した。
 これまで世界知的所有権機構で発表した数字によると、2010年に受け付けた39687件国際登録出願のうち、中国商標は42%の件数増加幅で世界2位となり、1928件の出願件数で世界7位となっている。
 2010年の商標の国際登録出願の増加が最も速い国は前年比42.2%増の韓国。出願件数で見ると、欧州連合加盟国による国際登録出願が22403件で、世界1位となっている。
 王彬穎氏によると、世界で最も速く成長している中国商標事業は、国内出願件数が長い間に亘って世界1位の座を占めており、今年で140万件を突破した。ここ数年の中国の綜合国力の継続上昇、経済成長の強い後続力が示される。

商品名の主要部分の登録商標類似、権利侵害として認定

2011年9月15日 中国知識産権報

 

本件の要旨

 商品・役務の出所の区別が商標の基本的な機能だ。商品名は商品区分に利用されるが、通常は出所の区別機能がない。しかし、商品名の主要部分が他者の登録商標と類似しており、この部分を意図的に際立たせて利用して、公衆をミスリードするに足る場合は、商品名の使用は商標としての使用となる。混同や誤認識の結果に結びつく場合、事業者が権利侵害責任を負う。

事件の状況

 「前列康」登録商標の専用権者の原告浙江康恩貝公司で製造している「前列康」ブランド人用医薬品が、市場に高い知名度を持っている。被告の南寧富莱欣公司で製造し、被告の深圳恵普生公司が総代理店を務める「乾列康(前必安)カプセル」(以下係争製品という)は保健用食品である。両被告が係争製品のアウターパッケージに、商品名のほかの文字より明らかに大きいフォントで「乾列康」文字を表示しながら、極めて小さいフォントでそれ自体の商標を標記している。原告は、被告の行為で自社の商標専用権が侵害されたと認識している。

判決

 北京市石景山区人民法院の判定によると、商標法実施条例五十条(一)号に、「同一種類又は類似した商品において、他者の登録商標と同一又は類似する表記を商品名、或いは商品の装飾として使用し、公衆をミスリードするのは、他者の登録商標に対しその他の損害をもたらす行為に該当する」と定めていることから、保健用食品である係争製品は主にドラッグストアで販売されるため、原告の製品との販売ルートがほぼ一致している。通常の消費者層の一般の認知力に基づいて判断すると、二者の機能や用途、性質などを明確に区別することができない。従って、二者は類似商品に当たる。両被告の権利侵害行為が成立する。係争製品の製造・販売の即刻停止、係争製品の包装物及び表示マークの破棄、原告の経済的損失の賠償金として十万元を支払う旨の判決を言い渡した。第一審判決を不服する両被告は上訴を提起した。北京市第一中級人民法院で上訴を棄却し、原判決を維持した。

フォルクスワーゲン、商標登録異議申立行政訴訟で連敗

2011年08月15日 中国法制新聞網

 

 北京市第一中級人民法院では先日、フォルクスワーゲン自動車株式有限公司(以下、フォルクスワーゲンという)が国家工商行政管理総局商標評審委員会を相手取った2件の行政訴訟事件の第一審判決を言い渡し、いずれも被告の同委員会による商標登録異議申立再審裁定を維持している。
 2事件における異議申立対象商標はそれぞれ、常州市祥興電機有限公司による第12類の陸上車両用伝動モータ、陸上車両用エンジン、自転車用発動機等商品での登録を出願した組合せ図形商標(異議申立対象商標1,図1)、及び義烏市小嬌嬌化粧品有限公司による第5類の空気芳香剤、空气清浄剤、蚊取り線香等商品で出願した立体図形商標(異議申立対象商標2, 図2)である。フォルクスワーゲンが前述2類で登録している「VW」の組合せ図形商標(図3)が引用商標となっている。
 北京一中院の判断によると、中国商標法の「社会的な悪影響をもたらす」との定めは、公共の利益と公共の秩序を維持することが基であり、私権への保護ではなく、被異議申立商標が公衆を混同させたとしても、影響を受けたのはフォルクスワーゲンの利益であって、公共の利益ではないため、「悪影響をもたらす」と判定することができない。また、異議申立対象商標1と引用商標は、凹凸部のデザイン、アルファベットの向き、全体の視覚効果において大きな相違があり、類似商標とはならない。そして、異議申立対象商標2の上半の図形が引用商標に似ているが、第5類での引用商標の指定商品は被異議申立商標の指定商品とは機能、用途そして消費者層等においても違うことから、二者が類似商品とはいえないという。

VW

 

中国商標異議申立に関するページはこちら

淘宝網に対するブランド腕時計侵害事件、北京で開廷

2011年08月15日 中国法制新聞網

 

 世界有数の時計メーカーであるオメガ、ロンジン、ラドー3社が浙江淘宝網絡有限公司(以下、淘宝網という)を相手取った商標権侵害事件がそれぞれ、北京市第一中級人民法院、北京市第二中級人民法院で開廷審理された。事件の審理に当たって、淘宝直通車業務とそれの提供元である淘宝(中国)ソフトウェア有限公司(以下、淘宝ソフトウェアという)が争点になった。
 7月20日、北京市第二中級人民法院で開廷審理した際、淘宝網が、本件で侵害として訴えられた商品が千龍網のページで表示されるのは、淘宝ソフトウェアが淘宝網に対して淘宝直通車業務を提供すると同時に、千龍網と提携契約を締結していることから、本件に関わった権利侵害店舗が淘宝網で自ら編集、発信した情報が淘宝直通車を介してそのまま千龍網で表示されるようになったのが原因だったという。
 8月2日、北京市第一中級人民法院で開廷審理した際、権利侵害で訴えられた本件係争対象商品を淘宝網にそのままリンクを貼り付けた「店舗の目玉」コラムが広告行為であり、淘宝網ではこの行為に対する審査が義務付けられると主張した原告に、淘宝網が法廷で、「店舗の目玉」は淘宝直通車として提供するサービスで、淘宝ソフトウェアが運営者であり、淘宝網は一切参加しておらず、何らの費用も取っていないと答えた。これに対して原告は、淘宝網が「関連会社を出して自社の責任を逃れようとしている」と反発した。

侵害に対する損害賠償請求、商標未使用で却下

2011年08月24日 中国知識産権報

 

 先日、「自然力NATURAL POWER」登録商標専用権が侵害されたとして、黄が特力屋商貿有限公司(以下、特力屋公司という)を提訴したが、上海市浦東新区人民法院は第一審で侵害の成立を認定したものの、同商標を実際の商業に利用しなかったことから、損害賠償の申立を支持しなかった。
 黄によると、許諾を得ていない特力屋公司が店舗で自分の登録商標と同一の「自然力」表記が付されたソープなどの商品を大量に販売し、会社のホームページでも大きく取り上げており、侵害行為となり、侵害行為の即時差し止め、合理的な費用を含めた経済的損害として100万元の賠償金支払判決を求めた。
 法院は審理した上で、被告の侵害行為が成立するが、商標権侵害の経済的損害は商標の事実上の商業利用が前提であり、商標権者がその登録商標を使用しない場合、経済的利益が発生しないため、実際の経済的損害も存在しないと判断し、損害賠償金で被害者の事実上の損害を補填するという原則によると、原告の経済的損害賠償の訴訟請求を支持しないとした。

「鰐魚」、OEM生産で係争

2011年7月6日 出所:「中国知識産権報」

 

 国外企業の委託を受けて行なう渉外OEM生産が、同じブランドを所有する国内商標の権利侵害になるのか。このほど、原告の中国無錫艾弗国際貿易有限公司が被告の香港鰐魚恤有限公司の登録商標専用権を侵害していないことを確認するよう請求した事件は、上海市浦東新区人民法院の第一審で侵害しないと判決されてから、今は第二審に入っている。
 自社が「CROCODILE」商標の中国における唯一の合法的所有者で、権利を侵害していないという原告の請求が成立せず、原告のOEM生産が自社の経済的利益を侵害したという鰐魚恤社の主張に対して、無錫艾弗社は、2009年12月2日に韓国のA4 Style Co.,ltd.と締結した「綿製女性用ジーンズ」関連のOEM生産契約に基づき、関連製品は全て韓国に輸出して国内では販売しないため、権利侵害にならないと主張した。
 第一審の法院は、原告の無錫艾弗社がOEM生産で係争商標を使用した行為は、合法的に許諾されており、権利侵害の主観的な故意と過失がなく、OEM生産による市場混同や被告への影響と損失もなかったとして、権利侵害が成立しないと判決した。
 鰐魚恤社はそれを不服として、上海市第一中級人民法院に上訴した。第二審において、無錫艾弗社は依然として、商標を服装に付着する行為の性質が「生産」で、「使用」ではないため、権利侵害が成立しないと強調している。一方、鰐魚恤社は、「生産」にしろ「販売」にしろ、いずれも商標から利益を得る商標の使用行為に当たるため、商標権利者の許諾を得ずに商標を服装に付着するという商標の使用行為が、その商標専用権を侵害していると主張している。

「拜亜動力」の境遇に見る、中国語商標の重要さ

2011年7月6日 出所:「中国知識産権報」

 

 87年前にドイツのベルリンに設立されたベイヤーダイナミックは、オーディオ機器業界で高い知名度を有し、全世界の主な国・地域で関連商標の登録を取得しているが、2001年に正式に中国に進出してから、自社の主要文字商標を他人に先回り登録される羽目に陥った。
 調査によると、「拜亜動力」という中国語の文字商標は、2003年に広東省掲陽市の自然人の許暁明に登録出願・権利確認されている。これについて、ベイヤーダイナミックの関係者は、他人に先回り登録されたのは、当時中国語ブランドの保護意識が足りず、中国市場における中国語名称の重要さを知らなかったからである。同社は緊急に救済措置を取ったものの、5年間という異議申立期間が既に経過しているため、2010年に3年間不使用を理由に商標登録の取消を請求することしかできなかった。
 同事件はいまだに国家工商行政管理総局商標局による審理結果を待っている。

「阿利安」商標、使用権の再許諾で権利侵害

2011年7月12日 出所:「中国知識産権報」

 

 許諾された商標標識を再許諾する行為は、権利侵害になるのか。北京市朝陽区人民法院が審理した商標トラブルから、権利侵害に当たると分かった。
 美光隠形眼鏡(北京)有限公司はこのほど、同社の製品と類似した商品に「ARYAN」という自社商標を使用していることで、北京阿利安眼鏡有限公司を相手取って北京市朝陽区人民法院に提訴した。
 コンタクトレンズ、コンタクトレンズ材料や洗浄液の卸売りと輸入を主要業務とする美光社は、2003年10月に、「ARYAN」(阿利安)商標(指定商品 第9類のコンタクトレンズ)の登録を取得した。2009年に、美光社は同商標の使用権を当時美光の社長を務めていた金英玉に許諾した。2010年に、金英玉は同商標の使用権を阿利安社に許諾した。金英玉から同商標の使用権を取得した後、阿利安社は自社の眼鏡製品の宣伝資料に「Aryan」という文字を使用し始めた。
 これに対して、美光社は、阿利安社がそのコンタクトレンズの包装物や広告に「Aryan」という文字を際立たせて使用したことにより、「ARYAN」ブランドのコンタクトレンズの販売量が急減し、収益損失が大きく、阿利安社の行為が自社の商標専用権を侵害していると主張した。一方、阿利安社は、それによる「Aryan」商標の使用がすでに美光の社長であった金英玉から許諾されていると反論した。
 法院は、両者の主張を総合的に分析した上、美光社が金英玉に同商標の使用権を許諾しているが、その使用権を無断で他人に再許諾する権利があるとは許諾契約に記載していないことから、阿利安社が金英玉から取得した商標使用権には法的根拠はなく、直ちに関連のコンタクトレンズと宣伝資料における「Aryan」標識の使用を停止すべきと言い渡した。


中国商標専門サイトのトップページへ