2015年(1~3月)の中国商標ニュースです。

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異なる言語による近似該当商標の認定基準

2015/1/30  出典:中国知識産権資訊網

事案の内容

 1986年5月14日、キヤノン株式会社は国家工商行政管理局商標局(以下、「商標局」という)に、第383262号「Canon」商標(以下、「引例商標」という)を出願し、1987年6月10日に登録を受けた。指定商品は第9類ケーブル、電線、乾電池などである。
 被異議申立商標は第4429067号「佳能」商標である。「佳能」商標は広東佳立実業有限公司(以下、「佳立社」という)が2004年12月22日に商標局に登録を出願したもので、指定商品は第9類ケーブル、電線などである。
 被異議申立商標の登録出願について、キヤノン株式会社は法定期間以内に商標局に異議を申し立てた。2011年12月14日、商標局は第23976号裁定を下し、被異議申立商標の登録を認めた。キヤノン株式会社はこの裁定を不服とし、2010年12月29日に国家工商行政管理総局商標評審委員会(以下、「商標評審委員会」という)に審判を請求した。審判請求の理由は、「被異議申立商標はキヤノン株式会社の馳名商標「佳能」と「Canon」に対するコピーと模倣であり、キヤノン株式会社の商号権を侵害しており、引例商標の類似商品における近似商標に該当する。佳立社の登録出願行為は誠実/信用の原則に違反しており、登録を認めた場合、不良な影響を生じかねない。」である。

 

 2013年8月5日、商標評審委員会は第32114裁定を下し、「被異議申立商標の指定商品であるケーブルなどは、引例商標の指定商品であるケーブルなどと同一種類又は類似商品に属する。キヤノン株式会社が提示した証拠により、次のようなことが裏付けられた。キヤノン株式会社の使用と宣伝を通じて、「佳能」と「Canon」は既に対応関係ができており、かつ、「佳能 Canon」商標は一定の知名度を持っている。被異議申立商標と引例商標は含意が類似しており、市場で共存し、類似商品に使用された場合、消費者の混同誤認をもたらすおそれがある。二つの商標は類似商品に使用される近似商標に該当する。キヤノン株式会社が請求したその他の異議審判理由については、商標評審委員会は支持しない。」と判断し、2001年10月27日付けで第九期全国人民代表大会常務委員会第24回会議「中華人民共和国商標法改正に関する決定」で改正された商標法(以下、「第二回改正商標法」という)第28条、第33条、第34条の規定に基づき、「審判商品における被異議申立商標の登録出願を拒絶する。」と裁定した。

 

 佳立社は商標評審委員会の裁定を不服とし、行政訴訟を提起した。第一審法院、第二審法院はともに「被異議申立商標は「佳能」という中国語からなり、引例商標は「Canon」という英語からなる。二者は、文字そのものが異なるが、引例商標はキヤノン株式会社の長期的な宣伝と使用によって一定の知名度を有し、かつ、中国語の「佳能」と唯一の対応関係を形成しており、二つの商標は近似商標に当たる。」と判断し、「登録出願を拒絶する」旨の裁定を維持した。

分析

 異なる言語が近似に該当するか否かを判断するにあたっては、対応関係の有無及び対応関係の程度を考えなければならない。
 外国語商標に含まれる文字は、固有の含意を有する単語、語句、単語の組合又は連語であるほか、権利者が独創した造語である可能性もある。外国語を中国語に訳す方法としては、音訳と意訳が挙げられる。中国語と外国語は音訳やよく見かける意訳の関係にある場合、近似するかどうかの判断はそれほど難しくないが、同一権利者の中国語と外国語による商標の対応関係は、必ずしも簡単な音訳又は意訳関係ではない。
 中国語商標と外国語商標が権利者の長期的な宣伝と同時使用によって、いずれも高い知名度を持っており、中国の消費者が二つの商標を別々に見ても二者の対応関係を想起し、二者とも同一の権利者に属していると判断できる場合、他人による上記中国語商標と同一又は近似する中国語商標の登録出願は、上記権利者の先行外国語商標の近似する商標に該当すると認定される。

「商品・役務ID List」オンライン検索が正式開始

2015/2/25 出典:中国工商報

 

 中国国家工商総局、米国特許商標庁、欧州内部市場協調庁、韓国知的財産庁、日本特許庁の共同の取り組みにより、商標五庁会合(TM5)のメンバーは先ごろ、「商品・役務ID List」のオンライン検索ツールの運用を開始した。同検索ツールを利用すれば、商標登録出願者は簡単に各メンバーが共同受理した商品・役務をデータベースで調べることができる。
 商標五庁会合は、各庁間の情報交換や意見交流を通じて各自の商標登録体系を改善し、商標登録出願者により良いサービスを提供することを目的としている。
 正式に開始した「商品・役務ID List」には、各メンバーが受理可能な商標登録用の商品・役務項目が1.4万点も含まれている。検索システムの登録画面には、「権利保有者は提供されるリストから商品・役務を選択した場合、国家知識産権局から商品・役務の変更を要求されることがまずない」と記されている。当面、英語でしか検索できないが、これから中国語や韓国語でも利用できるようになると見込まれている。

「最上級形容詞」が商標の構成要素から外される

2015/2/12 出典:中国知識産権資訊網

裁判要旨

 商標標識が使用にあたって関連公衆に誤認混同をもたらさないように、最上級形容詞は商標標識の構成要素として使用・登録すべきではない。かかる商標登録出願については、「その他の不良な影響がある」状況に当たるとして、登録を認めない。

案件概要

 2011年9月30日、李氏(商標出願人)は第10028666号「天下第一虎及び図」(指定色彩)商標(以下、「出願商標」)の役務商標登録を国家工商行政管理総局商標局(以下、「商標局」という)に出願した。2012年10月11日、商標局は出願商標に「天下第一」という文字が含まれており、指定役務を誇張宣伝したとして、同出願を拒絶した。
 李氏は商標局の拒絶通知を不服とし、「出願商標が独自に創造したもので、独創性があり、消費者の誤認を招きにくく、不良な影響をもたらすことはない」などを理由に、商標評審委員会に審判を請求した。2013年11月12日、商標評審委員会は、李氏の出願が2001年改正商標法第10条第1項第(8)号に規定する状況に該当するとして、同出願を拒絶する旨の裁定を下した。
 李氏はこの裁定に不服があり、行政訴訟を提起した。李氏は出願商標に係る虎形状の彫像が実在のもので、しかも関連公衆に知られていることを証明するために、上海大世界基尼斯総部が発行した第00989号「大世界基尼斯の一番」証書や、黒龍江省虎林市にある「天下第一虎」彫像の写真、関連サイトのコピーを提示した。第一審法院は、出願商標が「誇張宣伝で一定の詐欺性質を帯びる」ものであり、2001年改正商標法第10条第1項第(7)号に規定する「商標として使用できない標識」に該当するとして、商標評審委員会の裁定を維持した。
 李氏は原審判決に不服があり、第二審法院に控訴した。第二審法院は、出願商標が「誇張宣伝で一定の詐欺性質を帯びる」ものというよりも、「その他の不良な影響がある」ものに該当するとして、原審判決の法律適用ミスを是正した上で、原審判決を維持した。

2014年の中国商標登録件数が世界1位に

2015/1/23 出典:経済日報

 

 国家工商総局の発表によると、2014年1月~12月の全国の新規登記登録市場主体は前年同期比14.23%増の1,292.5万社であり、うち、企業が45.88%増の365.1万社である。
 同時に、中国商標登録出願件数は同期比21.5%増の228.5万件で、13年間連続で世界1位を維持してきた。12月末時点で、中国の商標登録出願累計件数は1,552.7万件、商標登録累計件数は1,002.7万件、商標有効登録件数は839万件で、引き続き世界1位を維持している。

中国の音声商標が登録開始

2015/1/14 出典:北京日報

 

 アメリカ、フランス、オーストラリア、トルコ、ロシアなど多数の国において、音声商標は幅広く登録を受けている。中国では、新商標法の施行に伴って、音声商標の登録も可能になった。
 中国初の音声商標の登録例は、中国国際ラジオ局による同局「開始曲」の登録出願である。同「開始曲」は顕著な識別性があって、それにより商品出所を区別できるとされている。今後、音声商標登録を受けることができるものとしては、携帯電話のキー音、ウェブサイトのアクセス音、テレビドラマのテーマ曲やサウンドトラック、ソフトウェアのプロンプト音が挙げられる。

「.商標」ドメイン名 運営開始

2015/1/13  出典:情報時報

 

 1月9日、環球互易資訊集団と「.商標」登録局は共同で、広州において「インターネット上の『.商標』を作り、ブランドのグレードアップを助力」というイベントを開催した。
 「.商標」ドメイン名は、ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)の許可を受けて運営する世界的に通用するトップレベルドメインである。「.商標」ドメイン名登録局は国家工業・情報化部の許可を受け、中国において「.商標」ドメイン名の登録事業を展開している。「.商標」ドメイン名は既に中国ドメイン名管理システムに取り入れられている。
 「.商標」ドメイン名登録局中国区域の呉運営総裁によると、「.商標」ドメイン名は、インターネットにおいて唯一「商標」という中国語を接尾語にした国際的に通用するトップレベルドメイン名であって、ドメイン名権と商標権とが並行し、国際ドメイン名の管理基準に合致する権威的なインターネット上の知的財産権キャリアである。
 環球互易資訊集団によると、「.商標」ドメイン名は、インターネット上でブランド商標を保護、表現、宣伝するチャンスを全世界のブランド商標権者に提供するとともに、「.商標」を通じてインターネットにおける商品又は役務の出所を識別するための明確で真実のブランド指導案内をインターネット上の消費者に提供することを目標としている。これにより、ブランド商標の不一致による混乱や模倣商品・偽情報による被害を減らすことができる。これはまさにブランド企業と消費者の利益を効果的に保護するためのインターネット上の標識である、としている。
 なお、一つのインターネット上のブランドによる「.商標」ドメイン名の登録者が、必ず一つの真実のブランド商標権者に対応することを確保するために、「.商標」ドメイン名の登録内容は真実のブランド商標保有者が保有している商標権の内容とその都度対応しなければならない。
 そのため、登録局は厳格な審査体制を導入しており、登録業者や代理業者と共同して、同時に全てのドメイン名登録者を実名でチェックし、「.商標」ドメイン名の真実性と権威性を確保している。


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