2015年(7~9月)の中国商標ニュースです。

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不使用取消請求事件からみた「商標の使用」基準について

2015/6/30 出所:中国知識産権報

 

 中国知識産権報が、過去の不使用取消請求事件における「商標の使用」に関する基準をまとめたものを掲載していました。商標の使用については、明確な定義の無い「○○的な使用」というような用語によって判断がされることがありますが、これらの用語について不使用取消請求事件での判断を基に整理した内容になっています。
 このような用語は法的な定義は無く、個別案件においても明確で統一した適用基準がないことから、類似する事実をめぐって案件により審理結果も相違することになります。実務において個別に判断・解決しなければならないため、過去の事例を整理しておくことが必要です。
 今回はこの記事の一部をご紹介します。

「合法的な使用」について

 「合法的な使用」は、商標審理基準における使用に関する一要求である。他の関連する行政管理法律規定に違反するような商標の使用について、国家工商行政管理総局商標評審委員会(以下、「商評委」という)は、実際の商標使用の事実を否認することがない。
 「カステル」の商標取消案件では、最高人民法院は再審申請を却下する裁定書において「商業活動において真意に登録商標を使用しており、かつ登録商標の使用行為が商標法律規定に違反していない限り、使用と認定できる。商標使用に関連する経営活動において輸入や販売に関連する法律規定に違反しているか否かは、『3年間不使用取消』条項で規範化、調整しようとする内容ではない。」ということを明確にした。

「公開的な使用」について

 商標の「公開的な使用」とは、商標とそれを標識とする商品が生産者、提供者の管理下を離れており、公衆の視野に入り、関連する公衆に認識・識別されていることを意味する。実務では、公開的な使用が流通分野における使用と同様であることを意味する。
 第1156187号「駱王LUOWANG及び図」の商標取消案件において、法院は、商標使用行為が必ず市場流通における公開的な使用でなければならないと判断し、現有証拠により第三者がかつて審判中の商標を付した商品を生産した経緯があることは裏付けられるが、当該証拠では、上記商品が既に商業流通分野に入ったことを裏付けられないため、当該使用行為を認定しなかった。

「真意の使用」について

 実務では、「真意の使用」について定義が統一されていない。
 一つ目は、公開的な使用と同じ含意的な使用である。たとえば、第615321号「ポルシェ」商標取消案件において、関連する商標評審決定と法院判決のいずれも、製品包装の印刷行為があったが、それがすでに商品の識別に使用されており、かつ既に商業流通分野に入ったことについては証明できないと判断している。
 二つ目は、「真実の使用意図」の使用を指す。例えば、第879181号「庄吉GEORGE及び図」商標取消案件において、最高人民法院は、権利者が提出した契約書と領収書、製品発注協定書、広告委託書などの証拠は、それが審判商標を使用する真意を有するばかりではなく、商標法的な実際の使用を行ったことを裏付けられると裁定し、申請者の再審申請を却下した。

「商標的な使用」について

 「商標的な使用」(または「商標法的な使用」)は、不使用取消案件によくある表現である。
例えば、第3482505号「小覇王XIAOBAWANG」の商標取消案件において、法院は第一審判決で「販売行為、広告行為など一般的に消費者が接触する商標使用行為だけが商標の識別作用を果たせるため、商標的な使用行為といえる。消費者が接触しない商標使用行為は消費者に商品出所を識別させる作用を果たせないため、商標的な使用行為といえない。」と判断した。

「商業的な使用」について

 商業活動における使用は、商標法が「使用」に求める前提的な要求である。第220865号「信遠斎」の商標取消案件において、法院は判決で「商業的な使用」について、「主に登録商標の商業的な運営過程における使用を指し、その関連活動は営利目的とするもので、商標的な”のれん”を形成し、商標の出所識別作用を果たす。」と定義した。
 この案件の権利者が提出した証拠には、特定期間のメディアに掲載している報道と写真が含まれており、権利者の権利擁護活動が報道されたことを証明しようとしている。法院は、かかる証拠だけでは権利者がその商標を付した商品を実際に市場に投入していることを証明できないため、商業活動に当たらないと判決した。

「象徴的な使用」について

 「象徴的な使用」は、司法判決が外国の商標使用に関する表現を参照して形成した、商標の有効使用を否定する基準である。
 第1240054号「大橋DAQIAO及び図」の商標取消案件では、その現有証拠としてメディア広告と1,800元の販売領収書が含まれていた。法院は、たとえ当該使用行為が存在したとしても、一定規模まで達していないため、「3年間不使用取消」条項を回避してその商標登録の効力を維持するための象徴的な使用行為にあたり、真実の商業目的のための商標の使用にはあたらないと判断した。

 

関連リンク

中国商標の不使用取消請求に関するページはこちら

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