2017年(10~12月)の中国商標ニュースです。

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中国で商標電子公告の新システム稼動、公告の掲載周期短縮、掲載量増加で利便性高まる

このほど、中国商標局の商標電子公告の新システムが正式にリリースされた。
11月6日に第1期(第1574期)の公告を掲載しており、今後は公告掲載までの期間短縮や掲載量の増加が見込まれている。
国家工商行政管理総局商標局が2017年11月8日に発表したところによると、電子公告制作のフローを合理化したことで、新システム稼動後は、審査完了から初審公告(注:予備査定を受けた商標について出される公告)掲載までの期間を大幅に短縮でき、総体的に見れば権利付与までの期間も短縮される見通しだ。
掲載量も大幅に増加し、審査量の急増に追いつける形となった。新システム稼動後の第1期に掲載された初審公告は12万件で、従来の倍となっている。
また、新システムでは1980年第1期の商標公告以降の全ての商標公告の情報を照会することができ、さらに音商標を音声で聞くことや、色彩を指定している商標の色彩を表示することなども可能になる。また、従来は公告が第何期のものであるか及び商標出願番号の2つの条件でしか検索できなかったが、今後は複数条件を組み合わせた検索が可能になり、検索範囲も全ての商標公告のデータをカバーすることになる。

長き戦いの果てに・・・Google社、中国で「Gmail」商標取得の可能性

「Gmail」といえば、米Google社が提供するフリーメールサービスとして既に世間に定着しているが、同社が10年近くもの間、中国で商標権を巡る争いをしていたことをご存知だろうか?
このほど、某中国企業が中国国内で出願していた商標「GMail」につき、登録を認めない旨の判決が下された。以下、北京法院審判信息網(北京裁判所審判情報ネット)に掲載された関連判決書(判決:2017年8月22日)の情報を基に経緯を追ってみたい。

 

Google社が「Gmail」の名称を使用し始めたのは2004年。同社は翌2005年4月、中国国家工商行政管理総局商標局(以下、「商標局」)に商標「GMAIL」を出願したが拒絶された。さらに2012年、「Gmail」と図形の組み合わせ商標について、中国を指定してマドリッド・プロトコルで出願したが、こちらも登録を認められていない。

 

この問題に関係していたのが中国のインターネットサービスプロバイダである愛思美(北京)信息科技有限公司(以下、「愛思美」)だ。愛思美は2004年5月以降、電子メールなどを指定役務とする第38類を中心に商標「GMAIL」を出願してきた。これらに対し商標局が予備査定の公告(初審公告)を行った後、Google社は異議申立てを行い、「Gmail」は自社が中国を含む全世界で先に打ち出した電子メールサービスの商標であり、愛思美の出願前に既に広範に宣伝・使用し、高い知名度を得ていたものであるため、愛思美の出願は消費者の混同・誤認を生むと主張した。

 

商標局は2014年3月、Google社の異議申立てを認め、愛思美の商標登録を認めないとの結論を出したが、当然のことながら愛思美は不服審判を請求。自社が出願した「GMAIL」は著名サービスの固有名称としての権利、またドメインについても著作権についても先行する権利を有するものであり、長期にわたり実際に使用しており、識別性も知名度もあるものだと反論した。この主張に対し、商標局は2015年11月、愛思美が電子メールサービスやその他類似するサービスを指定役務としてGoogle社に近似する商標を出願することは、中国商標法に定める「正当ではない手段を以て、他人が既に使用し一定の影響力を有している商標を先駆けて登録する行為」に該当するなどの理由で、登録を認めない旨の裁定を下した。

 

この結果、愛思美は北京知識産権法院に行政訴訟を提起した。

 

第一審では愛思美は自らの「多言語電子メールアドレスの転換方法」という特許出願の資料、またドメイン検索などに用いられるWHOISサービスにおいて、自社が2003年3月に「gmail.cn」なるドメインを登録したことを示すページを証拠として提出。これらはいずれもgmail多言語電子メールを打ち出そうとしていたためのものと主張し、さらにその電子メールサービスにおいては「Gmail」マークを使用していたという状況も提出した。
一方、Google社は最高人民法院の2013年の民事裁定書を提出。Google社がGmail電子メールサービスを先行して使用しており、「Gmail」商標が電子メールサービス上で高い知名度を有している点、また愛思美が「Gmail」マークに関して虚偽の宣伝を行い、同マークの著作権を侵害し、明らかにフリーライドの悪意がある点を主張した。

 

北京知識産権法院は審理の結果、一審判決で愛思美の請求を退けたが、話はもちろんまだまだ終わらない。一審判決に不服の愛思美は、北京市高級人民法院に上訴。同法院は、Google社が提出した証拠は、愛思美の「GMAIL」商標出願以前にGoogle社が電子メールサービスにおいて「Gmail」商標を先行して使用していたことを証明でき、中国の関連する公衆に対し一定の影響力を有していたことを証明できると判断した。また、愛思美は電子メールサービスなどの分野に従事する経営主体であり、Google社が一定の影響力を有する商標「Gmail」を先に使用していたことを知っていて然るべきとし、「Gmail」と類似する「GMAIL」の商標出願は電子メールサービスと類似する役務について行われたもので、愛思美側に悪意が存在するとした。また、愛思美の証拠不十分も理由の1つとして、原審の判断を維持し、愛思美の上訴を退けて結審した。

 

欧州などでも「Gmail」商標の取得には苦心したGoogle社。中国では1つ大きな難題が解決できたわけだが、皮肉なことに、中国では政府の規制によりGoogle社のサービスが使用できず、Gmailも使用不可能であるというのが現状である・・・。

 

(日本アイアール A・U)


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