中国語ネーミングの極意(2)双十一

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これで分かる!中国語ネーミングの極意(第2回)

Q、中国で「双十一(シュアンシーイー)」と呼ばれる一大イベントデーは、何月何日を指しているでしょう?

①1月1日 ②2月11日 ③11月11日

 

2回目にして早くも「ネーミングの極意」から脱線気味ですが、この時期取り上げずにいつ取り上げる!ということで今日は「双十一」の話題です。

 

日本でも最近話題になっておりますが、春節(旧正月)でも国慶節(建国記念日)でも、はたまたクリスマスやバレンタインデーのような西洋風のイベントが行われるわけでもないある時期に、中国では一大イベントが開催されます。
それは「双十一網購狂歓節」。「網購狂歓節」という字面はかなりインパクトがありますが、直訳すると「ネットショッピングカーニバル」。
要するに、この「双十一」という日にTmallやJD.netなどの大手を中心に中国のECサイトがここぞとばかりに販促活動を仕掛ける大型イベントの日なのです。
家電や化粧品、その他ありとあらゆる商品が大幅ディスカウントされるため、中国のネットユーザーは朝から晩までスマホやパソコンから離れられないほど。

 

そして、そのイベントが行われる「双十一」、これは11月11日を指しています。
・・・ということで、正解は

③11月11日

です。「ダブルの11」ということなんですね。

 

元々この日は、「光棍節(グアングンジエ)」という別の名前で呼ばれています。「光棍」というのは独身男性を指す言葉。「光棍節」の由来には諸説ありますが、やはり日付が1並びと言うことで「独身の日」として馴染んでいったようです。1990年代後半から、徐々に独身者を中心に様々な催しが行われるようになっていきました。

 

しかしこの日の意味をガラッと変えたのが、2009年にアリババ傘下の淘宝商城(タオバオ、現:Tmall)が仕掛けた「双十一網購狂歓節」でした。元々「独身の日」として盛り上がってきた日を選んだとも考えられますが、季節の変わり目であり、国慶節とクリスマスのちょうど間の時期ということもプラスと考えたようです。初回の2009年の売上高は5,000万元でしたが、その後参加する店舗も激増し、2017年の取引額は全体で2,540億元(約4兆3,000億円)に達しました。最近では日本企業もこの「双十一」に熱い視線を送っており、ECサイトでの販売、或いは中国からの訪日観光客向けにも「双十一」を意識した販促イベントを検討しているようです。

 

なお筆者は個人的には、このネーミングはなかなか巧いと思っています。「光棍節」を表に出したネーミングだった場合、おそらく独身層、特に若者のみをターゲットとしたイベントというイメージが長く付いて回ったかもしれません。日付を印象付け且つシンプルで覚えやすい「双十一=ダブルの11」というネーミングに思い切って変えたことが、老若男女を問わず国中が熱狂する一大イベントを作り出した勝因の一つであったようにも思えます。

 

商標コラムですので少々そちら方面のお話もしますと、「双十一」の商標登録状況としては、アリババ(阿里巴巴集団控股有限公司)が2011年までの間に35類、38類、41類で「双十一」「双十一網購狂歓節」「双十一狂歓節」などの商標出願を行い、早々に手当てをしていたことが分かります。
その後、異なる区分で「双十一」の商標権を取得した企業もあるようですが、③5類などで「双十一光棍節」の商標登録を試みた企業は拒絶されています。
なおアリババは2015年に入ってからは「双十一」を特徴のあるロゴで表した新商標の出願も積極化していますが、区分を従来の3区分から拡げているため、2015年以前に他の企業が出願した商標と類似とみなされる可能性もあり、必ずしも全てが無事に登録となるかは定かではありません。
ビジネスの先を読むことは難しいため、初めから幅広く権利を取ることを躊躇してしまいがちですが、商標出願はあくまで「早い者勝ち」。目先のコストに気を取られて、先の大きなビジネスチャンスを逃すのはもったいないことだと改めて考える次第です。

 

(日本アイアール A・U)


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