商標の共存協議は、商標の権利付与・権利確定に係わる案件で後願商標の出願人が先行商標による登録の障害を克服するためによく取る手段の一つです。
後願商標と先行引用商標の共存によって商品の出所に対する混同や誤認を引き起こすか否かについて、引用商標の権利者が出した判断は、商品市場の実際の状況に適合する可能性が高いと思われます。そのため、商標の類似性判断にああたっては、先行商標の権利者の意見を考慮した方が良いでしょう。共存協議は、商標の類似判断上の重要な根拠の一つとなります。
先行商標の権利者が後願商標は誤認混同を引き起さないと判断、もしくは後願商標について同一・類似の商品・役務における登録を認めた場合、再び双方商標が類似商標に該当すると認定することは不適切と考えられます。
ただし、共存協議における混同排除の効力は、同一商標又は類似性が高い商標に対しては適用されません。後願商標の出願人が先行商標の権利者と共存協議を締結した場合、後願商標が必ず許可されることとなれば、商標授権審査制度の棚上げに等しいだけでなく、消費者にとって同一又は類似性が高い商標間に異なる商品又は役務の出所を区別できなくなり、消費者の利益保護が実現できなくなるためです。
(北京恵利爾商標代理有限責任公司)