事前計画

中国での商標の不正出願の分類

現在、中国での商標の不正出願は主に3種に分類されます。

  • 1つ目は、意図的に他人商標と同一又は類似の商品/役務において、類似商標を出願することです。
  • 2つ目は、意図的に他人商標の指定商品/役務と同一・類似ではないものにおいて、同一又は類似の商標を出願することです。
  • 3つ目は、大量出願にて広範囲の商標の取得しようとする行為です。

この3種の不正出願のうち、2019年の商標法の改正により、3つ目の不正出願に対し強い規制がかかると推察されますが、1つ目と2つ目の不正出願、いわゆる「冒認出願」に対する規制にはまだ限りがあります。

商標出願の事前計画

従って、商標の所有者として、1つ目と2つ目のような冒認出願により損失を避けるために下記3点を参照して、出願すべき商標、指定すべき区分、商品又は役務について事前にきちんと計画することをお勧めします。

まず、重要区分における重要商標の権利取得と保護に重点を置くことです。

他人商標にただ乗りしようとする冒認商標の出願人は、商標審査基準の隙に乗じて、審査において類似とは認定されないが、消費者に混同・誤認を招くものを出願することが多いです。

そのため、商標所有者として、重要区分における重要商標そのものだけではなく、混同・誤認を引き起こす可能性がある標識も押さえておくことをお勧めします。

次に、重要商標の重要区分を除いた他の区分における出願や保護を重視することです。

現在、社会はますます細分化されているとはいえ、業界間の技術や販売ルート等の面での関連性も強くなってきました。企業は成長に伴い、重要となる製品の他に関連製品の開発を進めることもよくあることです。もし事前に関連製品において商標権を取って置かなければ、新製品を展開したいとき、重要商標が既に第三者によって先取りされてしまうことも多いと聞きます。この時点で権利行使をしようとしても難しいでしょう。

このため、商標出願のプランを立てる際、今後の会社の計画を熟知し、重要製品の他に企業の主力製品に関連性がある製品においても商標権を取っておくことをお勧めします。

例えば、企業が将来的に生産可能な製品;重要製品との関連性が強い製品;企業の製品とは関係はないが、使用されれば自社に悪影響が及ぶため、第三者に使用させたくない製品;またはその他の拡張可能なライフサイクルが短い製品等についても商標権の取得をご検討ください。

最後に、企業の重要となる商標以外の通常の商標に対しても、出願や保護の意識が必要です。

多くの企業は、重要商標と通常商標のどちらも取得しています。しかし、重要商標に対する保護意識が強いのに対し、それ以外の通常商標に対する保護意識が足りない企業は多いです。普通商標の保護を怠った結果、悪意のある第三者に隙をつかれ、それと類似した商標を冒認出願される可能性が高まります。もし、その第三者の製品が劣悪品であれば、本来の商標所有者の名誉にも悪影響を及ぼすことになります。

一方、企業は各ブランドの製品展開を開始する際、最終的な結果を予測できないでしょう。重要商標のプロモーションのためにより多くの人力と財力を投入しましたが、重要商標ではなく、通常商標の評判が良く、人気となる場合もあります。この時、もし通常商標が第三者に取られてしまった場合、第三者のためにプロモーションを行ったことになります。

まとめ

要するに、第三者に冒認出願/登録の機会を与えないよう、商標の所有者は、きちんと計画を立てて、どの商標をどの商品/役務において出願/登録するかについて、実施可能な方策を打つべきです。

(北京恵利爾商標代理有限責任公司)

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