同日出願

同日に二つ以上の出願人が同一又は類似の商標を同一または類似商品・役務において出願すること(以下は同日出願をいう)は珍しいですが、希にあります。中国においては、このような場合、先に商標を使用していた者の登録出願を許可するという先使用権制度があります。

同日出願は、通常の出願と異なり、まず商標の申請権を誰に与えるかを確認しなければなりません。そのため、同日出願においては、特別な処理プロセスが設定されており、中国知的財産権局が同日出願の処理プロセスに関する指導意見を発表しました。その主要内容を見てみましょう。

中国商標出願が同日出願となった場合の処理プロセス

同日出願の処理プロセス

ステップ1:使用証拠の提出段階

商標審査部門が数件の同日出願を同時に審査し、同日に各出願人に『同日出願に関する使用証拠提出の通知書』を発送します。各出願人は、通知書を受領してから30日以内に同日出願の商標に関する先使用の証拠を提出し、商標が先に使用されていたことを証明することができます。(使用証拠は、同日出願の商標の出願日より前のものに限ります。)使用証拠を提出しない、または、使用証拠が無効な場合、商標が使用されていないとみなされます。

各出願人のうち、1出願人だけが期限内に有効な使用証拠を提出した場合、当該出願人に商標の申請権を与え、他の出願人の商標を却下します。各出願人全てが期限内に有効な使用証拠を提示し、且つ使用開始日が異なる場合、一番先に使用した出願人に商標の申請権を与え、他の出願人の商標を却下します。

使用証拠の提出段階において、各出願人が自発的に協議して合意を形成した場合、または、ある出願人が自発的に全部または一部の指定商品・役務を放棄し、ほかの出願人の商標との衝突がなくなった場合協議段階へ進める必要がありません。

ステップ2:協議段階

同日出願の商標出願人全てが使用していない、または、誰の商標が先に使用されたのか確認できない場合、協議段階へ進みます。協議によって合意を形成した場合、合意書に記載される出願人に商標の申請権を与え、他の出願人の商標を却下します。合意を形成できない場合、次のステップへ進みます。

各出願人が『同日出願に関する協議通知書』を受領してから30日以内に商標の申請権帰属について交渉し、商標局へ書面での合意書を提出できます。期限内に合意書を提出できない、または、合意書が無効な場合、協議が失敗したとみなされます。

ステップ3:くじ引き段階

協議が失敗した場合、くじ引き段階へ進みます。各出願人が『同日出願に関するくじ引き通知書』に記載されたくじ引きの方式、時間、場所に従い、オンラインまたはオフラインでのくじ引き会に参加すべきです。くじ引き会に参加しない場合、出願を放棄するとみなされます。

各出願人のうち、1出願人だけが時間通りにくじ引き会に参加した場合、当該出願人に商標の申請権を与え、他の出願人の商標を却下します。各出願人全てが参加した場合、勝った出願人に商標の申請権を与え、他の出願人の商標を却下します。各出願人全てが参加しない場合、衝突のある指定商品・役務において全ての出願を却下します。

例外

同日出願においては、上記処理プロセスで商標の申請権を確認した後、通常の商標実体審査に入るのが一般的ですが、例外もございます。

例えば、同日出願が商標法第四条で規定された使用目的としない悪意による出願に該当する場合、または同日出願が商標法第十九条第四款に違反した(すなわち、商標代理機構が第45類4506類似群の「法律サービス」以外の商品・役務項目において出願したなど)場合、他人が同日出願の前に、既に先行類似商標を登録できた場合は、同日出願の商標の申請権を確認せずに、直接同日出願の拒絶または一部拒絶を決定することができます。

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