モノクロ商標とカラー商標について
多くの権利者には、下記のような疑問を抱えているかもしれません。
モノクロの登録商標を持っているけど、カラーにして使用していいのかな?
若しくは、カラーのの登録商標を持っているけど、モノクロにして使用していいのかな?
赤の登録商標を持っているけど、緑にして使用していいのかな?
その回答をするために、まずは中国商標法の関連規定を見て見ましょう。
『商標法』第四十九条:
商標登録者が登録商標を使用する過程において、登録商標、登録者の名義、住所又はその他の登録事項を許可なく変更したときは、地方の工商行政管理部門は、期間を定めて是正するよう命じる。期間が満了しても是正しないときは、商標局はその登録商標を取消す。
登録商標がその査定使用商品における通用名称になり、若しくは正当な理由がなく、三年連続して不使用する場合、如何なる会社又は個人も、商標局に当該登録商標の取消を請求することができる。商標局は、請求を受領した日から9ヶ月以内に決定を行わなければならない。特別な事情があり、延長することが必要な場合、国務院工商行政管理部門の許可を得て、3ヶ月間延長することができる。
つまり、商標法によっては、登録商標を使用する場合、商標登録人が勝手に登録商標の態様を変えてはなりません。そうでないと、軽ければ期限内に改正するようにと商標局に命令され、重い場合には商標の登録が取り消されることになります。
登録商標の態様を変えることには、もちろん登録商標の指定した色を変えることを含めています。
商標の使用態様は登録態様と完全に一致すべきです。もし色を指定したカラーの商標を出願した場合、実際の使用においては、登録商標の指定した色を使用しなければなりません。
それに対し、モノクロの商標と色を指定しないカラー商標は、色が限定されないとみなされます。
つまり、モノクロの商標と色を指定しないカラーの商標を出願して、登録できれば、実際使用において色の使用は任意です。
こう見れば、モノクロで商標を出願するのはいいかもしれませんね。
実際においても、そうです。中国の実務においては、大抵モノクロの商標が出願されています。
理由は上記の第四十九条に規定されていることで、つまり、商標の使用態様は登録態様と完全に一致すべきであることです。色が限定されないと看做されますから、実際使用において、任意の色を使用することができ、柔軟な対応が可能となります。
では、例外はあるのでしょうか・・・?
あります。 例えば:
- 製品の特徴と関わる場合。塗料、絵筆などの製品の場合、カラー商標の方が、製品の展示やブランド育成に効果的です。
- 公衆において、一定の影響力の持つマークや人物の場合。指定された色は当該マークや人物にとってかけがえのない部分になったら、カラー商標の方が良いです。例えばマクドナルドの「M」マークの色です。
- もし商標のデザインが簡単すぎた場合、モノクロで出願したら、拒絶を受ける可能性が高いです。カラーにして出願したら、登録の確率が上がることになります。
(北京恵利爾商標代理有限責任公司)