中国蘇州

長年にわたる中国商標出願の増加に伴い、悪意による商標の取得や不使用商標の蓄積が益々顕著になっていることを背景に中国商標法は2019年の第四回改正によって、第四条に「使用を目的としない悪意のある商標登録出願は、拒絶されなければならない」を規定しました。その立法目的は、不正に商標資源を占用する行為、大量な出願行為を抑制し、中国商標登録の秩序を守ることにあり、改正以来、悪意出願の規制とともに使用を目的としない悪意のある中国商標登録出願も効果的に抑止しました。

今年も、使用を目的としない悪意のある商標登録出願の案件は、近頃、国家知識産権局が公表した2023年度の10大商標異議申立及び評審案件に収録されました。この判例を見てみましょう。

判例を見てみましょう

異議申立人は、被異議申立人A社が出願した商標第60596619号「白水畈」 (以下は「被異議商標」という)に対し、異議申立を提起しました。審査の結果、国家知識産権局は以下の意見を述べました。

被異議商標「白水畈」の指定商品は、第31類の「植物、谷(谷類)、新鮮野菜」等です。異議申立人は、被異議商標が異議申立人によって先に使用され、ある程度の影響力を獲得できた商標に対する抜け駆け出願であること、被異議商標が商標法第十六条(被異議商標には地理的表示を含み、その商品が当該表示に示された地域に由来するものでなく、公衆を誤認させやすい)に違反したことを主張しましたが、証拠不足で認められませんでした。

しかし、被異議商標のほかに、A社が多くの商品・役務において180件余りも商標出願・登録しており、そのうち、「索多西」、「涛雒」、「両河」等のような地理的表示と同一または類似する中国商標が複数あり、「鎮龍山」、「安福寺」、「王家坝」等のような観光地や村の名称と同一または類似する中国商標も複数あります。

また、異議申立人が提出した証拠によって、被異議商標の出願日前に「白水畈大根」が湖北省の地理的表示として使用されていることが分かりました。A社は、その販売している商品の産地が咸寧市咸安区高橋鎮白水村だと解釈しましたが、現地の農家ではないため、地理的表示を商標として登録するのは合理的ではありません。

そのため、A社の行為は公的資源を占用し、商標を買い占める意図を持っており、使用を目的としない悪意のある商標登録出願に該当し、登録を却下すると決定しました。

国家知識産権局の決意

使用を目的としない悪意のある商標登録出願の内容と表現は多種多様であり、行政区画名、山川名、観光地名、建物名、地理的表示と同一または類似する標識を中国商標として大量に出願するという行為がよく見受けられます。このような不正出願行為は、紛れもなく商標法において規制されます。

中国商標の主管機関として、国家知識産権局は、公的資源の占用、特に地理的表示を不正に利用し、商的利益を得る行為に打撃を加えることと、信義誠実の商標登録秩序を保護することを強く決意しました。

 

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