ダンヒルが中国の商標権侵害案件で勝訴、1.5億円超の賠償受ける
イギリスの有名ファッションブランド、ダンヒルが中国に進出したのは1990年代初頭。
高級ブランドの悲しい宿命として、次々と起こる商標権侵害に悩まされてきたことはご想像の通りだが、このほど、商標権侵害訴訟に勝訴し、1,000万元(約1.6億円)の賠償を受ける見通しだ。
2018年10月17日付の中国貿易報によると、侵害事件の被告は中国のメンズファッションブランド、「Dunhuoli」。ダンヒルとは似ても似つかない、お手頃価格帯のブランドである。
「Dunhuoli」は一応商標登録されているのだが、それはあくまで普通の字体での登録。
しかしここ数年は、ダンヒルのロゴに似せたモノクロで文字が縦に長く伸びる特徴的な字体を使用しており、消費者の誤認を招いていた。さらに香港にダンヒル・グループを騙る企業を設立していたことも判明し、悪質さが認められたかたちだ。
これを受け、広東省佛山市中級人民法院は、Dunhuoliに商標権侵害及び不正競争行為が存在したとして、1,000万元(約1.6億円)の賠償を命じた。
ダンヒルは、今回の判決を「中国の偽造品取締りに関するマイルストーンと言えるような勝利」と表明しているそうだが、本件の賠償金額が中国の他の類似案件の平均を遥かに超えていることを考えると、あながち大げさな表現ではないのかもしれない。
(日本アイアール A・U)