これで分かる!中国語ネーミングの極意(第1回)
Q.お馴染みの世界的ハンバーガーチェーン、「マクドナルド」の中国語表記は以下のうちどれでしょうか?
(中国語簡体字では意味が分かりにくいため、日本語漢字に置き換えて表記しています)
①麦当労 ②麻酷度納露都 ③漢堡包
中国語のネーミングを行うにあたっては、音を取る場合、意味を取る場合、両方の要素を取り入れる場合などいくつかのパターンがありますが、マクドナルドの場合は両方の要素を取り入れています。
といっても、発音が完全に同一というわけではないので、どちらかというと意味先行であると言えるでしょう。
ちなみに中国ではこの答えのネーミングが大成功と捉えられており、その理由は主に以下のようなところにあるようです。
- 英語の元の発音が概ね残っている
- 「食品店」であることが分かる
- 「麦を食べるなら働かなければならない」という含蓄があるのがよい
- 中国らしさも西洋らしさもあり、中国人の好みに合っている
・・・ということで、正解は A.①麦当労(マイダンラオ)
「マクドナルド」は元々人名ですし、その場合には「麦克唐納(マイクータンナー)」という文字が当てられることも多いのですが、もしその中国語名を付けてしまったら、平板すぎて印象に残らなかっただろうという声もあります。
因みに②「麻酷度納露都(マクドナルド)」は、筆者が中国語の音のみをとって付けた完全な当て字です。(笑)
音のみを取って成功する例もあるのですが(これは次回以降取り上げます)、まず「麻酷度納露都」の場合、長すぎるのが問題です。長すぎる名前は覚えてもらいづらいですよね。また、それぞれの文字からも言葉のまとまりからもコンセプトが全く感じられず、ブランドとして何を訴えたいのかが分からないネーミングです。
なお、どんな場合でも不吉だったり好ましくない文字や言葉は入れないのがネーミングの大原則となっており、場合によっては各地の方言による発音までチェックしなければならない場合もあります。
皆さん、そういうと「じゃあ『酷』っていう字はどうなの?良い意味はないんじゃない?」、と思われるかもしれませんが、実は現在の中国ではこの「酷」という字、「coolでかっこいい」という意味で使われることが多くなっています。ですので、若年層に訴求したいブランドの場合、十分に選択肢となり得る文字であると言えます。日本語と中国語では同じ文字でも意味が違う場合があるという点もネーミングで押さえておくべき重要なポイントですね。
なお、③「漢堡包(ハンバオバオ)」は、中国語で「ハンバーガー」という意味です。
現在、中国の都市部にはマクドナルドだけでなくバーガーキングのようなチェーン店も進出していますので、街中でこの文字を見かけることも結構あるかもしれませんね。ネーミングとはまた別の豆知識としてお役立て下さい。
(日本アイアール A・U)
【クイズで学ぶ連載コラム】これで分かる!中国語ネーミングの極意はこちらです。
① ハンバーガー編
② 「双十一」編
③ 外資系ブランド編
④ コーヒーチェーン編
⑤ スポーツブランド編
⑥ ウォータースポーツ編
⑦ 民泊サービス”AIRBNB”編